ワークショップレポート

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▶ レポート番外編 ドアーズのワークショップ勉強会!

2015/04/10 ( 18:47 ) │ その他ワークショップレポート9th

4月5日に開催されたドアーズの「ワークショップ勉強会」の様子を、一部書き起こしを交えてご紹介します!
少し長いので、ずらっとスクロールして拾い読みするだけでもきっと発見がありますよ!

今回講師としてお招きしたのは「場とコトLAB」代表でワークショップ・デザイナー推進機構の中脇健児さんです。凝縮された2時間半で、じっくり教えていただきました。




 
 
中脇:
まずは今日どのような目的で進めるのかを説明します。
僕のワークショップでは、行うことはホワイトボードに最初にすべて書きます。なので今日の勉強会内容は最初に全て開示しています。



【今日の目的】
 ① ワークショップというものの全体像を「ぼんやり」でもイメージしてもらう。
 ② 参加者同士で色々話してもらう。
 ③ 中脇のファシリテーターとしての現場感を伝える。
 ※3つ目的があったら、2つ達成で成功としてワークショップをやっている。この日は①と②の達成に重きを置いた。


中脇:
(まずは今回の「ねらい」をきちんと説明する)
今日は、ワークショップの全体像をみなさんにぼんやりとでもイメージしてもらうことが目的。
目的① 「そういうことをワークショップというんだ!」ということを持ち帰ってもらいたい。
目的② せっかく色んな人が集まっているので、少しでも交流が出来ればいいと思っている。
目的③ 講師側に立っている人間が2時間半でどう思っていたのか検証する機会はなかなか無いと思うので、「ほんとの終わり」の所で、自分(中脇)がどう感じてどう判断を変えていったのか、ということも説明できたらと思う。

(どのようなレベルの人が参加しているのか確認する)
みなさんに対してまずはお聞きしたいことがある。あてはまるものをみんなでせーの!で出して欲しい。
 グー: ワークショップ自分で色々やってますよ!
 チョキ: 教室や人を教えることはしているけど、ワークショップについてはまだまだ入口です。
 パー: 参加者側です。

 ※ここで得られた参加者の分布を元にワークショップを構成していく。
 参加者に合わせてどのように構成したかは一番下の「中脇さんの進行ふりかえり」を確認。今回は "チョキ" が多かったので、チョキ=「ワークショップ入口の人」向けに構成を組み立て。


中脇:
講義の中に少しずつ「アイスブレイク」を入れて場をほぐしながら進めていく。アイス=冷えているものを、ブレイク=壊す という行為。
コミュニケーションを中心としたゲームをすることで、雰囲気をほぐすと同時に「コミュニケーション」そのものを体感してもらう。


【アイスブレイク】



A. まずは「バースデーリング」してみましょうか。
 参加者内で喋らずにコミュニケーションを取り、誕生日順に並んで輪を作る。
 ジェスチャーなどのボディランゲージで情報のやりとりをする。

B. 次は、「5秒間自己紹介」
 輪になった状態のまま、どんどん5秒で自己紹介。

C. 「1~50ゲーム」
 50を最大として数字が大きいほど規模の大きな趣味を持つ設定。
 嘘の趣味でもいいが、趣味の話をしていくことで自分のカードの数字と近い相手を探していく。カードの数字を見せ合うことは出来ない。

 (数字が近かった2組の趣味)
  Aさん:カフェめぐり⇔Bさん:パンづくり
  Aさん:家でごろごろ⇔Bさん:パンに生えたカビの観察


中脇:
ーA~Cを終えて、

基本的にワークショップとはコミュニケーションから成り立つ。「話す・聞く」がコミュニケーションの基本。
同じ言葉でも、それを激しく思っているのか、すごく地味だと思っているかはその人の軸(主観)次第で変わるので、「聞く」ということがとても大事。一方的に伝えても、それが響くかは相手の価値観次第。まずはしっかりと相手がどんな感じの方なのか掴む。


D. 観察トーク
 2人ペアになり、相手を観察してどんな印象を持ったかを1分ずつ語る。
 語られている側は、1分の間ひたすら聞く。


中脇:
さっき話した「コミュニケーション」とは「話す・聞く」ことでした。実はワークショップにはこの他に、「観察する」ということがすごく大事。
わからない人を置いてけぼりにしてはいけないが、人数が多いと一人一人を見るということは出来ない。「場を見る」ということが重要になる。
観察して場の雰囲気を読み取り、楽しそうな部分を伸ばす。「話す・聞く」とともに、一番大事なことは「見る」こと。

ただし、頭だけで考えるのはあまりオススメしません。納得することが大切。
なぜならワークショップは、





【グループに分けて喋ってみよう(ディスカッション)】



似たジャンルの講師でグループを作った結果、この日は下記のような6グループに。
【ものづくり / 実演(パフォーミングアーツ系) / 統合 / 環境 / エンパワメント / まちづくり】

1) まずはグループごとに苦労した話、あるある話など語ってみよう。
2) 次に、グループの中で一人を残して、他のメンバーは興味があるグループの話を聞きに行ってみよう!残った一人は「こんな話をしていました」ということを伝えて、新たに集まった人とトークテーマに従ってディスカッションを始める。
 テーマ:「ワークショップデザイン」に対するイメージ
     「わたしはこんなことに気を付けています」の情報の交換
3) どんな話が出ましたか?
① ものづくり
「どこま用意して、どこまでさせたらいいのか?」
「教えてあげたいけど時間内でどれだけのことを出来るのだろうか?」
「材料費と講師料のバランス」

② 実演 (パフォーミングアーツ系)
「個人個人で教えると相手のレベルがわかりやすいが、グループでやると人によって学ぶ早さや基本が違う、誰に合わせたらいいのか。」
「自分の中で、"これは動かさない"という 一つの指針を持って進めないとどんどんズレていってしまう。」

③ 統合
「自分たちのやりたいことをまず説明するところから始めなければならない。(やっていることがわかりづらいので)」
「どう伝えるか、どういう風に伝わるとどう理解されるのか。字にするとすごく表現しづらい。」

④ まちづくり
「まちという形や概念は、人それぞれ想い入れがある。人が生活するという意味での街であったり。趣味の延長線上の情報交換、コミュニティ、「まち」という概念の中でそういう場を作ることがまちづくりかなと捉えている。」

⑤ 環境
「人権とCSRについてを話した。」
「ワークショップと講座や研修の違いについて話した。」

⑥ エンパワメント
「人に何かしてあげるのと、自分で気付くのは違う。」
「ワークショップの進め方として、講義調になると残念や失望という感想が寄せられた。実際に持ち帰られるものがあると違う。」
「対象者がどんな人が来ているかというのがはっきりわからない。来ている人の目的が講師側で明確に捉えることが出来ていないと齟齬が起こりがちに。」

(それぞれの課題は、これからの中脇さんの進行で少しずつヒントが出されます)


中脇:
ーディスカッションを終了し講義に移る。

ワークショップとは「コミュニケーション」が核たるものです。
次はコミュニケーションの「考え方」について学びます。
中脇流、「ワークショップ」で気をつける心構え「ワークショップをデザインするって?」


 【関係のデザイン】
初対面の人同士でどう時間を作るか、関係の硬直した既存のコミュニティであればどう混ぜていくか。
初対面ならアップテンポに畳み掛けて、既存のコミュニティなら例えばゴハンを食べながらお茶を飲みながらリラックスさせ、相手次第で進め方を変えている。
どのような人が来ているか把握しづらいときには、参加動機を丁寧に聞いていく。
最初に行った「グーチョキパー」の調査では、これらを知る目的として行った。簡単にどのような人が来ているのかグラデーションを感じとることが出来れば、構成も変わってくる。

 【方法】
付箋と模造紙などツールや、ワールドカフェ、アイスブレイクなどのテクニックも必要。

 【構造】
ワークショップ全体の構造として、輪になって喋り合う、1対1で喋る、シャッフルしてみる、などを考える。
体験であっても一方的になると受講者側にとってヘビーだったりしんどさが出ることもあるので、場に応じてコミュニケーションの構造を変えて場に変化を与え、気持ちを盛り上げ、集中力を持続させるかを考える必要がある。




中脇:
誰しもが先生である必要はないと思う。
長期的に関係性をつくるようなワークショップの場合もあれば、2時間、3時間で終わるものもある。この時間に応じてデザインする。
長時間であれば、例えば学校のように季節や段階に従ったプロセスを考えていく必要がある。

質問をどうデザインしていくかが重要。
質問によって、受講者の「聞きたい・学びたい」を引き出す。

1対1のカウンセリングのように、質問によって「あ、私本当はこうだったかも」と思えるような質問のデザイン。
最初に言った「話す・聞く・観察する」のうち、質問上手の人は非常に「観察」が上手。

いかにコミュニケーションを取りながら、場の関係性を上手く促進していくか、という「促進役」="ファシリテーター"を担っていくことが大事。
導くというよりは先導者であり伴走者のようなイメージ。
基本的にワークショップとは学びの場であるが、どう学びを引き出してあげるかが重要。


中脇:
一方通行ではないものをワークショップと言いましょうというような風潮が出てきたのは、学びのあり方が時代的に変化してきたからであるように思う。
一方向の直線的な教えが有効な時代もあったが、現代としてはファシリテーションが機能しやすい=コミュニケーションの取りやすい形式が望まれる。


 【直線的なスクール形式】
スクール形式は直線的。一方向の直線的な教えの流れになりやすい。
直線的な伝え方は、非常時などの命令系統を必要とするときや決まったことを行うときには有効。
正解のある状態での教え方であり、講座的、研修的な形。


 【人を巻き込みながら進むワークショップ形式】
促進役=ファシリテーションが機能しやすい形。比較的に色んな人を巻き込みながら場に流れを生む島形の配置。
それぞれの進行度合いを見ながらコミュニケーションをとるワークショップでは、こちらの配置が有効。



中脇:
 『促進役="ファシリテーター"の大切な心構えは、「正解は最適解よりも納得解」』

参加者みんなが納得するのは難しい。
出来る人もいれば遅れが出るひともいる。こぼれたときにどうケア出来るか、安心して、「もうあんなとこ二度とゴメンだ」とはせず、全体に納得を持たせながらやれることが必要。

自分の中でワークショップの促進役="ファシリテーター"としてどうやっていくかといつもイメージしていることがある。


中脇:
ワークショップは山登りのイメージ。一人ではなくグループで行く登山。
基本的には最初は足並みを揃える。今日何をするのか共有し、目的を伝える。自分が思っていても参加者が思っていることは違うかもしれない。そのつもりじゃないかもしれない。全員の装備や状況の確認を行う、チームの状態を把握する。

初心者や中級者がいる場合、「初心者もいるけど今日は◯◯といった目的で行うので中級で行います」というなどの説明を行う必要がある。
その上で初級者には、「しんどくなったら言って、声掛けして」「難しい、わからない」は都度言ってもらい、逆にそれが中級者にとって学び直しになるかもしれない。エクスキューズをきちんと作っておいてあげる。
「戻る」「下げる」も環境によっては必要、場の雰囲気を感じてワークショップの足並みを揃えていく。

 『ふりかえりは共有であり気付き、学びのシェアになる。』

⑤をきちんと行うだけで、学びの落ち方が違う。これが無い場合、「あれ、結局今日何だったんだっけ」となる。

段階段階ごとで、参加者に「出来た?」「わかった?」を都度確認を挟むことが大事。気付かないうちにこぼれ落ちている人がいないようにする。
だから講師の方には「観察する」「場を感じる」というのは非常に必要な能力になる。
前向きに終ってもらうことが必要。帰りのルートはメンバーの力に合わせることが必要。



 『頂上に行くことがだけが目的ではない。行動・行為を目的化しない。』

沢遊びが楽しいメンバーも入れば、この前登ったから今日はここまででいいね、という人もいる。でも急な上がり下がりは事故のもと。段階を踏んで勧めること。
早かった、意味わからなかった、進みすぎたとせず、確実にワンステップずつ進めることで、ときには戻る・下がるも全体の納得の上で取り入れる。

 『誘導的に陥りがちだが・・・、「決められた結論に誘導しない」』

これを踏まえ、改めて最初のスライドを確認する。



以上で終了です。


***

【「ワークショップ勉強会」の中脇さんの進行ふりかえり】

中脇:
・グーチョキパーで調べたときにチョキが多かったので、都度確認しなくてはいけないなと感じた。(ワークショップで言うとまだ初心者なので)
・今日はワークショップについて知らない人も多かったので、あえてワークショップの用語を頻繁させた。まちづくりのワークショップでは「ワークショップ」という言葉すら使わないときもある。
・11:40-12:00の20分間は延びた時は使い、伸びなかったときは休憩にしようと考えていた。
・バースデーリングはみんなぐるっと「輪っかになる」ことが重要だった。そして5秒の自己紹介で声を出して、なんとなく所属も見えたらいいと思った。
・「ワークショップ」や「ファシリテーション」について説明がないまま、アイスブレイクのゲームをテンポよく進めすぎた感があったので、一旦中断して「話す」「聞く」の重要性について説明を差し込んだ。
・「ワークショップとは?」という参加者が多かったので、ディスカッションでワークショップの輪郭を探っていく方向ではなく、自分で説明していく方向に切り替えた。この為途中でスライドの差し替えを行った。
 ▶ これにより時間が大幅に余ってしまって焦った!
・どういった人が集まっているのかということの掘り下げをまだできていなかったので、グループディスカッションするときにパターン変えて10分×2回を入れて余った時間を使っていこうと思った。
 ▶ 対話が深まっているかどうかが心配だった。自分の議題の投げ掛けが甘いとも思っていたので、これ以上話しても深まりは難しいかもしれないと思い、さらに深める方向にせずディスカッションを2回目で切った。
 ▶ ディスカッションのリーダーは決めない方法を取った。割と日本人傾向として「対話の場」の振る舞いに慣れていないという所もあるので、しんどいかもしれないがあえて司会やリーダーなどの役割を設けずにやってもらった。
・後半は自分で発表するなどの実践の場を設け、最後に向けてはテンポアップして畳み掛けを行った。<下山>の部分。
・振り返りや共有の部分が薄かったので、終了後に積極的に疑問点などを聞く場を設けた。
・ドアーズは90分なので、
 1) 自己紹介 3-5分 2)目的を話す 5-10分 3) 実践に2山ぐらいつくる 20分×2(45分-60分) 4) ふりかえり 5分 5) 撤収 10分-15分
何かを作ってみる系なら、1) 自己紹介~ 2) 目的を話すをひとまとめにしても良いかも。主旨を投げかけながるところから始める。
何れにしても「狙い」を言っていかないといけない。90分なのでメインで伝えたいことは一つにして進める。
余裕があれば、一言ずつ感想をもらう、無ければ質疑応答で質問をまとめてから全部答える、ということもある。


『僕が特に気にするのは、コミュニケーションや構造のグラデーションを大事にする。気持ちの盛り上げ方に注意し、こういう流れを作るにはどうしたら良いのか、という点を裏側の目的として持って行っている。』


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お疲れ様でした◎